押入れを防音して快適に!DIYで静かな環境を作るコツとおすすめ材

自宅での楽器演奏や動画配信、あるいはテレワークなど、静かな環境を求めて「押入れ」を活用する人が増えています。押入れは独立した小空間として防音に適しているように見えますが、実は対策をしないと音が反響しやすいという特徴もあります。この記事では、押入れ防音のメリットとDIYのコツを詳しくご紹介します。

目次

押入れを防音すると生活音が気になりにくくなる理由

押入れを防音することで、部屋全体の静寂性が向上し、集中できる環境を手に入れることができます。本来は収納スペースである押入れを対策すると、なぜ防音効果が得られるのか、その理由を構造的な視点から紐解いていきます。

押入れは空洞が多く音が響きやすい

押入れは布団や衣類を収納するために設計されているため、中身が少ない状態だと広い空洞になります。この空洞がスピーカーの箱のような役割を果たしてしまい、中で発した音が壁に跳ね返り、何度も反響する現象が起こります。反響した音はエネルギーを維持したまま壁や天井を通り抜けようとするため、結果として外に音が漏れやすくなるのです。

防音対策の第一歩は、この空洞内の反響を抑えることにあります。もし荷物がぎっしり詰まっていれば、布団などが音を吸収してくれるため、ある程度の防音効果が期待できますが、作業スペースとして使う場合は、意図的に吸音材を配置して「響きすぎない空間」を作ることが不可欠です。

ふすまや壁の薄さで音が漏れやすい

一般的な押入れの仕切りである「ふすま」は、紙と木枠、あるいは薄い板で作られているため、音を遮る能力(遮音性)がほとんどありません。また、押入れの背面の壁は、隣の部屋や隣家と接していることが多く、通常の居室の壁よりも薄い構造になっているケースも見受けられます。

このように「音が通り抜けやすい素材」で囲まれていることが、押入れ防音の大きな課題です。ふすまを閉めただけでは声や楽器の音を十分に防ぐことはできません。防音を成功させるには、ふすまの補強や、壁面に遮音シートや吸音材を貼り付けるなど、物理的に音を遮断する層を厚くする必要があります。

低音は止めにくく振動対策が大切

音には高い音と低い音がありますが、特に「低い音」は物質を振動させて伝わる性質が強いため、防ぐのが非常に困難です。例えば、スピーカーの重低音や椅子を動かす音、足音などは、壁や床を伝って建物全体に響いてしまいます。

押入れの床板は中が空洞になっていることが多く、太鼓のように振動を増幅させてしまうことがあります。そのため、単に吸音材を貼るだけでなく、床に厚手の防振マットを敷くなどの対策が重要です。振動を元から断つことで、下の階や隣の部屋への騒音トラブルを未然に防ぐことができます。

目的が遮音か吸音かでやり方が変わる

防音には大きく分けて「遮音」と「吸音」の2つの考え方があります。遮音は音を跳ね返して外に出さないこと、吸音は音を吸収して反響を小さくすることを指します。押入れを防音する場合、この両方をバランスよく組み合わせることが重要です。

外への音漏れを徹底的に防ぎたいのであれば、ゴム製の遮音シートなどの「重い素材」を使って音を遮断します。一方で、押入れの中で録音をしたり集中したりする場合は、ウレタンなどの「柔らかい素材」で吸音を行い、中の響きを整えます。自分の目的が「周囲への配慮」なのか「作業環境の向上」なのかによって、選ぶべきアイテムや施工方法が変わってきます。

押入れ防音DIYに使いやすいおすすめ防音アイテム

DIYで押入れを防音する際、扱いやすさと効果のバランスが取れたアイテムを選ぶことが成功の鍵となります。プロの現場でも使われる信頼性の高い素材の中から、特に個人の作業に適したものを紹介します。

ホワイトキューオン(東京防音)

ポリエステル繊維で作られた、チクチクしない吸音材です。断熱材としても優秀で、ペットボトルと同じ素材のため、小さなお子様がいる家庭でも安心して使用できます。

項目詳細
素材ポリエステル
特徴環境に優しく、肌に触れても安全。加工が簡単。
おすすめ用途壁面への貼り付け、吸音対策
公式サイト東京防音株式会社

ミニソネックス(東京防音)

表面が波型に加工されたウレタンフォームの吸音材です。表面積が広いため、効率よく音を吸収してくれます。軽量で扱いやすく、両面テープなどで手軽に設置可能です。

項目詳細
素材特殊ウレタンフォーム
特徴高い吸音率とプロっぽい見た目。軽量。
おすすめ用途反響音の抑制、動画配信ブース
公式サイト東京防音株式会社

フェルメノン(フェルト吸音材)

硬めのフェルトボードで、デザイン性が高いのが特徴です。カッターで自由にカットでき、カラーバリエーションも豊富なため、押入れ内を自分好みの空間に仕上げることができます。

項目詳細
素材高密度ポリエステル
特徴意匠性が高く、押しピンなどで固定可能。
おすすめ用途インテリアを兼ねた壁面防音
公式サイトドリックス株式会社(フェルメノン)

ポリリーフ(ポリエステル吸音材)

密度が高く、しっかりとした厚みがあるポリエステル製の吸音パネルです。繊維が抜けにくく、長期間使用しても形が崩れにくいという耐久性の高さが魅力です。

項目詳細
素材ポリエステル
特徴優れた吸音性能と形状安定性。
おすすめ用途本格的な録音ブース作り
公式サイトピアリビング(販売店サイト参照)

GCボード(グラスウール吸音材)

グラスウールをガラスクロスで包んだ、非常に高い防音効果を持つ素材です。音楽スタジオなどでよく使われる定番のアイテムで、中低音から高音まで幅広く吸音します。

項目詳細
素材グラスウール・ガラスクロス
特徴非常に高い吸音性能。不燃性。
おすすめ用途楽器演奏、本格的な遮音対策
公式サイトパラマウント硝子工業株式会社

カームフレックス(ウレタン吸音材)

産業機器の騒音対策にも使われる、高機能な吸音材です。音をエネルギーとして吸収する能力が高く、特に機械的な音や特定の周波数を抑えたい場合に効果を発揮します。

項目詳細
素材特殊ポリウレタンフォーム
特徴優れた吸音特性と耐候性。
おすすめ用途パソコンや機材の動作音対策
公式サイト株式会社イノアックコーポレーション

オトカベ(DAIKEN 音響壁材)

住宅建材メーカーの大建工業が手掛ける本格的な音響パネルです。壁自体を「音の良い壁」に変えてくれるため、押入れをオーディオルームや書斎にしたい場合に最適です。

項目詳細
素材インシュレーションボード等
特徴住宅品質の安心感。調湿効果があるものも。
おすすめ用途リフォームに近い本格的な部屋作り
公式サイト大建工業株式会社

押入れ防音のやり方と失敗しないコツ

アイテムを揃えたら、次は施工です。押入れ特有の弱点を突いた効率的な対策を行うことで、限られた予算でも最大限の効果を引き出すことができます。

ふすまに吸音材を貼って反響を減らす

まずは最も音が漏れやすい「ふすま」から手を付けましょう。ふすまの内側に吸音材を貼り付けるだけで、押入れ内の音が外に漏れるのをかなり軽減できます。この際、吸音材の隙間が空かないように敷き詰めるのがポイントです。

もしふすまを外して、代わりに厚手の防音カーテンを設置する方法もあります。カーテンなら開け閉めが楽で、空気の入れ替えもしやすいため、作業環境としては快適になります。ふすまを残す場合は、剥がせる両面テープを活用して、賃貸でも復旧できるように工夫しましょう。

床に防振マットを敷いて響きを抑える

押入れをデスクとして使う場合、椅子の移動音やPC本体の振動が床に伝わります。これを防ぐために、厚さ1cm程度の防振マットやジョイントマットを床一面に敷き詰めましょう。

特に、重いピアノなどの楽器演奏を検討している場合は、防振マットの上にさらに厚い合板を重ねて荷重を分散させる「プラットフォーム」を作るとより効果的です。足元からの振動を抑えることは、近隣トラブルを防ぐための最も重要なステップの一つです。

隙間テープで音漏れルートを塞ぐ

音は水と同じように、わずかな隙間からも漏れ出します。ふすまの上下や、壁と床の境目などにある小さな隙間を見逃さないようにしましょう。市販のゴム製隙間テープを貼るだけで、高い遮音効果を実感できるはずです。

特にふすまが重なる部分は隙間が大きくなりがちです。ここをモヘアシールやゴムパッキンで埋めることで、気密性が高まり、防音性能が格段に向上します。ただし、気密性を高めすぎると空気がこもるため、適度な換気とのバランスが重要です。

換気と結露対策をセットで考える

押入れは本来、湿気が溜まりやすい場所です。防音のために気密性を高めると、さらにカビや結露のリスクが高まります。特に壁に吸音材を密着させると、壁との間に湿気がこもり、気づかないうちにカビが発生してしまうことがあります。

対策としては、壁と吸音材の間にわずかな隙間を作るか、定期的に中の空気を入れ替える習慣をつけることが大切です。また、調湿効果のある壁材を選んだり、除湿剤を併用したりすることも検討しましょう。防音効果と建物の健康を両立させることが、長く快適に使うためのコツです。

押入れ防音で後悔しないためのまとめ

押入れの防音は、適切なアイテム選びと隙間のない丁寧な施工によって、驚くほど静かな空間に生まれ変わります。まずは自分の目的を明確にし、吸音と遮音のどちらに重きを置くかを決めましょう。

今回ご紹介したホワイトキューオンやミニソネックスなどの優秀なアイテムを組み合わせれば、DIY初心者でも十分に効果を出すことができます。ただし、密閉することによる換気不足には十分注意してください。適切な湿気対策を行いながら、あなただけの理想的な静音スペースを完成させてくださいね。

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この記事を書いた人

ピアノの弾き方だけでなく、音の作り方そのものに興味がある人へ向けて情報を発信しています。コード進行やメロディづくりのコツも詳しく解説します。ひとつの曲を深く味わえるようになったり、自分のフレーズが生まれやすくなったりする、そんなきっかけをお届けします。

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