作曲やピアノの伴奏をしていて「次にどのコードを使えばいいのかわからない」と迷うことはありませんか。そんな悩みを一瞬で解決してくれるのがダイアトニックコードの表です。キー(調)ごとに使える和音が一覧になっているため、ルールに基づいた自然な響きを簡単に見つけることができるようになります。
ダイアトニックコードの表が読めるとキー別のコードが一気に整理できる
ダイアトニックコードの表は、音楽の「基本の地図」のようなものです。これがあるだけで、複雑に見えるコード進行の仕組みが驚くほどシンプルに整理されます。
ダイアトニックコード表は7つの和音を並べた一覧
ダイアトニックコード表とは、ある特定の音階(スケール)の上で作られる7つの基本的な和音を一覧にまとめたものです。音楽には多くのコードが存在しますが、一つの曲の中で中心となるのは、そのキーの音だけで構成されたこの7つの「身内」コードです。
この表を見ることで、その曲で使われる可能性が高いコードがどれなのか、即座に判別できるようになります。初心者の方が「音が外れて聞こえる」と悩む場合、多くはこの7つの範囲外にあるコードを無理に使っていることが原因です。まずは表を確認して、基本のメンバーを把握することから始めましょう。
メジャーキーの並び方をつかむ
明るい雰囲気を持つメジャーキー(長調)のダイアトニックコードには、決まった並びのパターンがあります。1番目から7番目まで、「メジャー、マイナー、マイナー、メジャー、メジャー、マイナー、マイナーフラットファイブ(m7b5)」という順番です。
ハ長調(Cキー)なら「C、Dm、Em、F、G、Am、Bm(b5)」となります。この「質の並び」はどのメジャーキーでも共通です。表を使ってこの法則を視覚的に理解しておくと、シャープやフラットが多い難しいキーであっても、どのコードを使えばよいか迷わなくなります。
マイナーキーの並び方をつかむ
切ない印象のマイナーキー(短調)にも、同様に7つのコードが設定されています。ただし、マイナーキーには複数の音階が存在するため、表によっては少し複雑に見えるかもしれません。
基本となるナチュラルマイナースケールでは、イ短調(Amキー)なら「Am、Bm(b5)、C、Dm、Em、F、G」が並びます。メジャーキーの表と見比べると、3番目の音から始まっているような関係になっていることに気づくはずです。マイナーキーの表を手元に置いておけば、情緒的なバラードやかっこいいロックの進行もスムーズに組み立てられます。
度数表記で覚えると移調が楽になる
ダイアトニックコード表には、コード名だけでなく「I、II、III」といったローマ数字(ディグリー)が併記されていることが多いです。これがいわゆる度数表記です。
コード名そのものではなく「1番目、2番目」という役割で覚えることで、キーが変わっても同じ進行を再現できるようになります。例えば「C→F→G」という進行を「I→IV→V」と理解していれば、Gキーになっても「G→C→D」だと即座に分かります。この度数表記の考え方をマスターすると、カラオケでキーを変えるような「移調」の作業が格段に楽になります。
ダイアトニックコード表をすぐ確認できるおすすめツール
2026年現在、ブラウザやアプリで手軽に使える優れたツールがたくさんあります。自分の環境に合ったものを選んでみてください。
| ツール・書籍名 | 特徴 | 参照・公式サイト |
|---|---|---|
| O-TO ダイアトニック一覧 | Web上で全キーを網羅。シンプルで使いやすい。 | O-TO(オート)公式サイト |
| er-music 一覧ツール | ボタンを押すと音が出るため、響きを確認しながら学べる。 | er-music公式サイト |
| コード表アプリ | スマホに入れておけば、外出先や楽器の前ですぐ確認可能。 | 各種アプリストア(「コード 検索」等) |
| 絶対わかる!コード理論(2) | 短調も含めた仕組みが丁寧に解説された入門書の定番。 | リットーミュージック |
| musictheory.net | スケールとコードの構成を論理的に学べる海外の有名サイト。 | musictheory.net |
絶対わかる!コード理論(2) ダイアトニックコードのすべて(書籍)
この本は、単に表を提示するだけでなく「なぜそのコードになるのか」という理屈を非常に分かりやすく解説しています。特にマイナーキー(短調)のダイアトニックコードは混乱しやすい部分ですが、この本を読めばそのモヤモヤが解消されます。手元に一冊置いておくと、インターネットで調べるよりも深く、正確な知識を身につけることができます。
ダイアトニックコード表を使って曲の流れを作る練習
表の見方がわかったら、実際にピアノを弾きながらコードを繋げてみましょう。理論が音として自分の中に定着していきます。
まずはIとVを押さえる
ダイアトニックコード表の中で最も重要なのは、1番目(I)と5番目(V)のコードです。1番目は「家」のような安心感を、5番目は「家へ帰りたい」という緊張感を持っています。
まずはピアノで「I→V→I」と弾いてみてください。これだけで音楽の基本的な物語が完結します。Cキーなら「C→G→C」ですね。表にある他のコードを覚える前に、まずはこの2つのコードが生み出す「緊張と解決」の響きを耳に覚え込ませるのが、コード進行マスターへの第一歩です。
代理コードで置き換えてみる
同じ役割を持つコード同士を入れ替える「代理コード」という手法を試してみましょう。例えば、1番目(I)の代理として6番目(VI)を使ってみます。
表を見ると、Cキーの「C」の代わりに「Am」が使えます。進行の骨組みは同じでも、響きが少し切なく変化するのが分かるはずです。このように、表にあるコードを似た役割のものと交換してみることで、曲の雰囲気を自由にコントロールできるようになります。
4小節で定番進行を作る
表の中からコードを4つ選んで、4小節のループを作ってみましょう。特におすすめなのは「I→VI→IV→V」といった定番の形です。Cキーなら「C→Am→F→G」となります。
多くのポップスはこの4小節の繰り返しでできています。表を見ながら「次は2番目を入れてみようかな」「4番目を先にしてみよう」と実験を繰り返してみてください。自分なりに「心地よい」と感じるパターンが見つかれば、それがあなたの曲作りの武器になります。
ベースの動きでつながりを整える
コード進行を滑らかにするコツは、一番低い音(ベース音)の動きに注目することです。表を見ながらコードを選んだら、そのルート音がどのように移動しているかを確認してください。
ベース音が「ド→レ→ミ」と階段状に動いたり、「ド→ファ→ソ」と力強く跳躍したりすることで、曲のキャラクターが決まります。コードネームだけでなく、ベースの動きを意識して表を活用すると、伴奏のクオリティがぐっとプロっぽくなります。
ダイアトニックコード表を味方にして作曲と伴奏をスムーズにしよう
ダイアトニックコード表は、音楽理論という大きな山を登るための「ガイドマップ」です。これがあれば、暗記に頼らなくても正しいコードを導き出すことができ、迷いなく表現に集中できるようになります。
O-TOなどの便利なWebアプリや、「絶対わかる!コード理論」のような書籍を上手に使い分け、まずは自分の好きなキーの7つの和音をピアノで鳴らしてみましょう。表を味方につけることで、あなたの作曲やピアノ伴奏はもっと自由で、創造的なものに変わっていくはずです。
