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耳コピでコード進行を当てるコツ!ベース音の聞き方と上達を助ける便利ツール

好きな曲をピアノで弾いてみたいけれど、コードが分からず挫折してしまった経験はありませんか。実は耳コピに魔法のような才能は必要ありません。いくつかのコツと便利なツール、そして頻出する「型」を知るだけで、驚くほどスムーズにコードを判別できるようになります。耳コピの楽しさを実感するためのステップを解説します。

目次

耳コピでコードを当てるコツは「ベース音」と「雰囲気」を先に掴むこと

耳コピの第一歩は、いきなり複雑な和音を聞き取ろうとしないことです。まずは曲の土台を支える「ベース音」と、曲全体が醸し出す「雰囲気」に注目しましょう。この二つを意識するだけで、候補となるコードが絞られ、正解にたどり着くスピードが格段に早くなります。その具体的な手法を見ていきましょう。

低音の動きを追うと進行が見えてくる

耳コピにおいて最も重要なのは、楽曲の「一番低い音」を聞き取ることです。多くの場合、ベースが弾いている音はその瞬間のコードの「ルート音(根音)」になっています。例えば、ベースが「ド(C)」の音を鳴らしていれば、その時のコードはCメジャーやCマイナー、あるいはC7である可能性が非常に高いと言えます。高音域のキラキラした装飾音に惑わされず、まずは低音域に耳を澄ませる癖をつけましょう。

低音を聞き取るのが難しい場合は、ヘッドホンやイヤホンを使用し、イコライザーで低音域を強調するのも一つの手です。また、ベースの音を1オクターブ上で歌ってみるのも効果的です。自分の声で音程を確認することで、どの音階が鳴っているのかがはっきりと認識しやすくなります。ベース音の動きさえ分かれば、コード進行の骨組みを把握したも同然です。まずは曲全体のベースラインをノートに書き留めることから始めてみてください。

ピアノで確認する際も、まずは左手だけでベース音を弾いてみましょう。メロディに対してその低音がしっくりくれば、それはコードの正解に大きく近づいている証拠です。ベース音を軸にして、そこから上にどのような音が積み重なっているかを探していくのが、最も効率的で確実な耳コピの手順となります。

明るいか暗いかで長調短調を判断する

ベース音が判明したら、次にそのコードが「明るい(メジャー)」か「暗い(マイナー)」かを判断します。これができるだけで、コードの種類は半分に絞られます。耳コピが得意な人は、一音一音を探す前に、その場が持つ「色彩」や「感情」を直感的に捉えています。幸せな感じや力強い安定感があればメジャー、切ない感じや不安な響きがあればマイナーだと当たりをつけてみてください。

具体的には、ベース音に対して「長3度」か「短3度」のどちらの音がメロディや伴奏に含まれているかを確認します。例えばベースがCのとき、E(ミ)が聞こえればCメジャー、E♭(ミのフラット)が聞こえればCマイナーです。ピアノの鍵盤で実際に両方を弾き比べてみて、どちらが原曲の雰囲気に近いかを確認する作業を繰り返すと、次第に音の響きだけで瞬時に判別できるようになります。

また、曲の「キー(調)」を意識することも大切です。その曲が明るい長調なのか、悲しげな短調なのかを最初に見極めておけば、使われる可能性が高いコード(ダイアトニックコード)が自動的に決まります。全く見当がつかない場合は、曲の最後がどのコードで終わっているかに注目してください。曲の終わりは主音(トニック)で着地することが多いため、キーを判定する大きなヒントになります。

サビだけ先に取ると全体がつながる

曲の冒頭から順番に耳コピをしようとして、Aメロの複雑なコードで止まってしまうのはよくある失敗です。おすすめは、最も盛り上がり、かつコード進行が明快な「サビ」から手をつけることです。サビは作曲者が最も伝えたいメロディが配置されているため、コードの動きもキャッチーで分かりやすいパターンが使われる傾向にあります。

サビのコード進行が判明すると、その曲のキーが確定しやすくなります。キーが分かれば、AメロやBメロで使われているコードも、ある程度推測できるようになります。音楽には「同じキーの中ではこのコードが使われやすい」というルールがあるため、一箇所が解明されるとパズルのピースが埋まるように全体が見えてくるのです。

また、サビを完成させることで「自分にもできた」という達成感が得られ、モチベーションを維持しやすくなります。最初から完璧を目指すのではなく、まずは一番好きなフレーズや印象的な部分から攻略していきましょう。サビから逆算して前後のパートを埋めていく方法は、プロの現場でもよく使われる合理的なアプローチです。

迷ったら王道進行に当てはめて確認する

どうしても音が聞き取れないときは、自分の耳だけに頼らず、世の中に溢れている「定番のコード進行」に当てはめてみるのが賢い方法です。特にJ-POPやポピュラー音楽には、ヒットするための黄金パターンがいくつか存在します。例えば、後述する「王道進行」や「カノン進行」などは、数え切れないほどの楽曲で採用されています。

「何か聞き覚えのある流れだな」と感じたら、まずは知っている進行をピアノで弾いて重ねてみてください。もしぴったり合えば、それはあなたの耳がそのパターンの響きを記憶していたということです。これは「ズル」ではなく、音楽的な経験値を活用した高度な推測と言えます。全ての音を一から探すよりも、既存の型というテンプレートを適用するほうが、圧倒的に作業スピードは上がります。

もし定番パターンと少しだけ違うと感じたなら、そこには「代理コード」や「テンションノート」が使われている可能性があります。基本の型を知っていればこそ、その「わずかな違い」にも気づけるようになるのです。迷ったときこそ基本に立ち返り、自分の知っている引き出しを次々と試していく姿勢が、耳コピの精度を飛躍的に高めてくれます。

耳コピでコードを見つけやすくなるおすすめツール7選

現代の耳コピは、便利なデジタルツールの力を借りることで効率が何倍にもアップします。音程を変えずに再生速度を落としたり、AIがコードを自動解析してくれたりと、初心者から上級者まで役立つものが揃っています。ここでは、特におすすめのツール7選を、それぞれの特徴を交えてご紹介します。

コード解析アプリ(Chord AI系)

最近のAI技術の進化により、楽曲を読み込むだけで自動的にコードを解析してくれるアプリが登場しています。代表的なのは「Chord AI」です。このツールは、マイクで聴かせた音やデバイス内の音源からリアルタイムでコードを表示してくれます。精度は完璧ではありませんが、耳コピの「最初の手がかり」としては非常に優秀です。

公式サイトChord AI
主な特徴音楽を聴かせるだけでコード譜を自動生成する
対応デバイスiOS / Android

複雑なジャズコードなどは誤判定することもありますが、大まかな進行を把握するには十分です。AIが出した答えを参考にしつつ、自分の耳で微調整していく使い方が最も効率的です。

キー判定アプリ(Key Finder系)

コードを探す前に、その曲が「何調(キー)」なのかを知ることは非常に重要です。キーが分かれば、使われるコードの候補が激減するからです。「Antares Auto-Key」などのツールを使えば、再生するだけで瞬時にキーを特定できます。

公式サイトAntares Auto-Key
主な特徴楽曲のキーとスケールを自動的に検出する
対応デバイスPC (Plugin) / iOS

初心者にとってキー判定は難しい作業ですが、こうしたツールを併用することで、迷子にならずに耳コピを進められます。

再生速度を変えられるプレイヤーアプリ

速いテンポの曲や、音が密集しているパートを聞き取るのは至難の業です。そこで役立つのが「Amazing Slow Downer」のような、音程を変えずに再生速度を遅くできるアプリです。

公式サイトAmazing Slow Downer
主な特徴音質を保ったまま0.2倍速などのスロー再生が可能
対応デバイスPC / iOS / Android

ゆっくり再生することで、ベースが動く瞬間や和音が変わるタイミングがはっきりと聞き取れるようになります。耳を鍛えるトレーニングツールとしても最適です。

ループ再生できる音楽プレイヤー

特定の数秒間だけを何度も繰り返し聴きたい場合には「Anytune」のようなアプリが便利です。直感的な操作でループ範囲を指定でき、納得がいくまで同じ箇所を集中して聴き込むことができます。

公式サイトAnytune
主な特徴楽器練習に特化したループ機能とピッチ変更機能を搭載
対応デバイスiOS / macOS / Android

「今のコードは何だろう?」と悩んだときに、自動的に何度も繰り返してくれる環境を作ることで、耳コピのストレスは大幅に軽減されます。

チューナーアプリ(基準音チェック)

耳コピ中に、自分のピアノや楽器のチューニングが原曲とずれていると、どれだけ音を探しても正解にたどり着けません。また、古い音源はピッチが微妙にずれていることもあります。「Pano Tuner」などの精度の高いチューナーで基準音を確認しましょう。

公式サイトPano Tuner (App Store)
主な特徴反応が非常に速く、微細なピッチのズレを可視化する
対応デバイスiOS / Android

基準となる音が合っているという安心感があるだけで、音探しに集中できるようになります。

ピアノアプリや鍵盤アプリ(音探し用)

PCの前や外出先で耳コピをしたいとき、手元に楽器がない場合に重宝するのが「Perfect Piano」などの鍵盤アプリです。スマホ一つで音程を確認できるため、隙間時間での耳コピが可能になります。

公式サイトPerfect Piano (Google Play)
主な特徴多彩な音色を内蔵した多機能なバーチャル鍵盤
対応デバイスAndroid / iOS

ベース音を拾った瞬間にアプリで音を鳴らして確認する、といった使い方が非常にスムーズです。

進行の確認に便利な五度圏表

ツールというよりは知識の補助ですが、デジタル版の「五度圏(Circle of Fifths)」ツールは常に手元に置いておくべきです。あるコードの次にどのコードが来やすいかを視覚的に示してくれます。

公式サイトCircle of Fifths (Web)
主な特徴キーごとのダイアトニックコードを瞬時に確認できる
対応デバイスWebブラウザ

「次はFかな、それともGかな?」と迷ったときに表を見るだけで、音楽理論に基づいた正しい推測をサポートしてくれます。

よく使うコード進行を覚えると耳コピの精度が上がる

耳コピを早く正確にする最大の近道は、音楽理論に基づいた「よくあるコード進行」を頭に入れることです。全く知らない音を探すよりも、「あ、これはあのパターンだ」と気づく方が圧倒的に楽だからです。J-POPや定番曲で繰り返し使われる代表的な進行をマスターして、耳コピの精度を高めましょう。

カノン進行はバラードで出やすい

カノン進行は、パッヘルベルの「カノン」をルーツに持つ、世界で最も有名な進行の一つです。度数で表すと「1-5-6-3-4-1-4-5」という流れで、非常に美しく、安心感のある響きが特徴です。日本のヒット曲でもバラードや卒業ソング、感動的なアニソンなどで頻繁に使用されています。ベース音が階段を下りていくようなスムーズな動きをしている場合、このカノン進行を疑ってみてください。

耳コピ中に「ド・ソ・ラ・ミ・ファ・ド・ファ・ソ」というベースラインが聞こえてきたら、ほぼ間違いなくこの進行です。この「型」を知っていれば、一音ずつ和音を探す必要はなく、定型文を当てはめるようにコードを置いていくことができます。非常に安定感があるため、サビだけでなくAメロなどで静かに物語を始める場面でも多用されます。この響きを耳に焼き付けておけば、耳コピの速度は飛躍的に向上します。

カノン進行にはいくつかのバリエーションがありますが、基本の骨組みは同じです。例えば、途中のコードが代理コードに入れ替わっていても、全体の流れが持つ「美しさと清潔感」を感じ取ることができれば、それはカノン進行の派生形であると判断できます。まずは自分の好きな曲の中にカノン進行が隠れていないか探すことから始めて、その響きに慣れていきましょう。

王道進行はJ-POPで頻出する

J-POPのサビで最も多用されるのが「4-5-3-6」という進行で、日本では「王道進行」と呼ばれています。キーがCメジャーなら「F-G-Em-Am」という流れになります。この進行は、サビで一気に視界が開けるような、爽快感と切なさが同居した独特の雰囲気を持っています。多くのヒット曲がこの進行を採用しているため、これを覚えるだけでJ-POPの耳コピは半分終わったと言っても過言ではありません。

王道進行の特徴は、最初の「4(F)」で少し浮遊感を与え、「5(G)」で盛り上げ、そして「3-6(Em-Am)」で切なさを演出するドラマチックな展開にあります。耳コピをしていて、サビの頭でベースが「ファ」から始まり、次に「ソ」へ上がってから少し落ち着くような動きをしていたら、まずはこの進行を試してみてください。驚くほど多くの曲にフィットするはずです。

この進行をマスターすると、単にコードを当てるだけでなく「次にどんな音が来るか」を予測できるようになります。音楽を聴きながら「次はきっとAmに来るぞ」と予感できるようになれば、耳コピは作業ではなく、答え合わせのような楽しい遊びに変わります。王道進行はアレンジの幅も広いですが、その核となる「4-5-3-6」の響きをしっかり耳に覚え込ませておきましょう。

4536系はサビの盛り上げに多い

前述の王道進行(4-5-3-6)のバリエーションとして、多くの盛り上げパターンが存在します。例えば、3度のコードをメジャーにして「4-5-3(Major)-6」とする手法があります。キーCで言うと「F-G-E7-Am」です。この「E7」が加わることで、マイナーコードである「Am」への推進力が強まり、よりエモーショナルでドラマチックな響きになります。アニソンやロック系のサビで非常によく聞かれるパターンです。

また、最初の4度をマイナーにして「4m-5-3-6」とするなど、わずかな変化で感情の機微を表現する曲も多いです。耳コピをしていて「基本の王道進行っぽいけれど、どこか一箇所だけトゲがあるな、あるいはすごく切ないな」と感じたら、こうしたバリエーションを疑ってみてください。特に「3度」の音がメジャーかマイナーかは、その箇所の印象を大きく変えるポイントになります。

これらの進行を総称して「4536系」と捉えておくと、耳コピの際の引き出しが整理されます。サビだけでなく、Bメロからサビへ繋ぐブリッジの部分でもよく使われます。まずは基本形をしっかり聞き取れるようにし、その上で「ここだけ音が違う」という違和感を楽しめるようになると、耳コピの精度は一段上のレベルへと到達します。

セカンダリードミナントで彩りが出る

曲を聴いていて、急にそのキーにはない「外れた音」が聞こえてくることがあります。しかし、それが決して不協和音ではなく、むしろお洒落で心地よい変化に聞こえる場合、それは「セカンダリードミナント」という手法かもしれません。これは、特定のコードに向かおうとする力を強めるために、一時的に別のキーのドミナントコードを借りてくるテクニックです。

例えば、キーCの曲で突然「D7」が出てきて、その後に「G」へ繋がるようなケースです。本来キーCにD7(レ・ファ#・ラ・ド)は存在しませんが、Gへ進むための橋渡しとして使うことで、楽曲に明るい彩りやジャジーな雰囲気を与えることができます。耳コピをしていて「基本のドレミ以外の音が混ざっているけれど、綺麗に繋がっている」と感じたら、このセカンダリードミナントを疑ってみてください。

セカンダリードミナントを見抜くコツは、その「外れたコード」の次にどのコードが来ているかを見ることです。多くの場合、そのコードの完全5度下のコードへ解決しています。このルールを知っていると、予測不可能な転調のように思えていたものが、実は非常に論理的な動きであることに気づけます。理論の知識を耳コピに持ち込むことで、複雑な楽曲もスムーズに解析できるようになります。

耳コピのコードは型と耳をセットで伸ばすと上達が早い

最終的に耳コピが上達するのは、知識としての「型」と、実際に聞き取る「耳」をバランスよく鍛えたときです。どちらか一方だけでは限界がありますが、両方が噛み合うと、初めて聴く曲でもコードが手に取るように分かるようになります。日々の練習で意識すべきポイントを確認して、楽しみながらレベルアップを目指しましょう。

耳コピは、ただ闇雲に音を探す作業ではなく、音楽の構造を理解するプロセスそのものです。最初は便利なアプリをフル活用して「正解を知る」ことから始めても構いません。正解を知った後に、改めてその音をじっくり聴き、「なぜこのコードがここで使われているのか」を考えることが、あなたの耳を育てる一番の栄養になります。一つの曲を完成させるたびに、あなたの脳内には音楽の地図が書き加えられていきます。

また、完璧主義になりすぎないことも継続のコツです。全てのテンションノートや細かい経過音まで拾いきれなくても、まずは主要な3つか4つのコードで曲を回せるようになれば十分です。ピアノで弾いてみて、自分なりに心地よいと感じる伴奏ができれば、それは立派な耳コピの成果です。数をこなすごとに、耳は驚くほど鋭くなっていきます。まずは今日、一小節だけでもいいので、好きな曲のベース音を探すことから始めてみてください。その積み重ねが、自由自在にピアノを操る力へと繋がります。“`

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