61鍵盤が足りない人へ!ピアノの音域不足を解消するコツとおすすめ88鍵

初心者向けの61鍵盤で練習を始めたものの、最近どうも音が足りないと感じていませんか。それは、あなたがより高度で表現力豊かな曲に挑戦できるレベルまで上達した証拠です。音域不足によるストレスを解消し、より自由にピアノを楽しむためのステップアップ術を分かりやすく解説します。

目次

61鍵盤が足りないと感じるのは弾きたい曲の音域が広がったサイン

ピアノを始めたばかりの頃は、61鍵盤でも十分に演奏を楽しめたはずです。しかし、多くの練習曲や憧れの楽曲に触れるうちに「この低い音が出ない」「一番高い音が足りない」という壁にぶつかります。これは単なる機材の問題ではなく、あなたの演奏スキルが向上し、表現したい音の世界が広がった素晴らしいサインです。

61鍵で弾ける曲と弾きにくい曲

61鍵盤は一般的に5オクターブの範囲をカバーしています。子供向けの童謡や、シンプルなコード進行で構成される最近のポップスであれば、この範囲内で弾ききれる曲も少なくありません。多くのキーボード用楽譜は、こうした音域制限を考慮してアレンジされているからです。

一方で、クラシック音楽の多くや、ジャズ、より本格的なピアノソロアレンジの曲になると、61鍵では物理的に鍵盤が足りなくなります。特にベートーヴェン以降のクラシック曲や、厚みのある響きを重視するバラード曲などは、88鍵あるピアノの端から端までの音域を使い切るように作られています。弾きたい曲の譜面を見て、音部記号のさらに下や上に多くの加線がついている場合、61鍵盤での演奏は厳しくなります。

自分が今どのジャンルを弾きたいのかを整理してみると、鍵盤が足りない理由が明確になります。趣味でコード弾きを楽しむ程度であれば十分でも、ソロピアノとして聴かせたいのであれば、音域の広さは表現力に直結する重要な要素です。

両手で音域がかぶる場面が増える

鍵盤数が少ないことで起きる問題の一つに、両手のポジションが重なってしまう「干渉」があります。88鍵盤であれば、左手でどっしりとした低音を支えつつ、右手で華やかな高音を奏でることができますが、61鍵盤では物理的な距離が近いため、両手が鍵盤の中央付近に集中しがちです。

中級以上の曲になると、左手が低いド(C1付近)を叩き、その直後に右手が高い位置へ跳躍するような動きが増えます。61鍵盤の場合、本来弾くべき低音が存在しないため、無理やり1オクターブ上で弾くことになり、曲の持つ重厚感が損なわれてしまいます。また、メロディと伴奏が同じ音域で重なりすぎると、音が濁って聞こえる原因にもなります。

「なんとなくお手本と響きが違う」と感じる原因の多くは、この音域の狭さによる配置の妥協にあります。両手がぶつかって弾きにくいと感じ始めたら、それはより広い鍵盤が必要になっている明確な合図といえます。

オクターブ移動で代用できることもある

すぐに買い替えが難しい場合、キーボードの「オクターブ・シフト」という機能を活用する方法があります。これは、ボタン一つで鍵盤全体の音の高さを1オクターブ上下にずらす機能です。例えば、高音域が足りない曲を弾く際、全体を1オクターブ下げて設定し、鍵盤の低い位置を使って高音を鳴らすという裏技です。

ただし、この方法は演奏中に切り替えるのが非常に難しく、あくまで「その曲全体が特定の方向に偏っている場合」にしか使えません。低い音も高い音も両方使う曲では、残念ながら対応しきれません。また、楽譜の見た目と実際に出る音の高さが一致しなくなるため、音感を養う時期の初心者にとっては、少し混乱を招く可能性もあります。

一時的なしのぎとしては有効ですが、演奏のたびに設定を気にするのは集中力を削ぐ原因になります。本来の指の動きを正しく身につけるためにも、代用機能に頼りすぎるのは避け、自然な音域で練習できる環境を整えるのが理想的です。

88鍵へ替えるタイミングの目安

では、具体的にどのタイミングで88鍵盤への買い替えを検討すべきでしょうか。一つの目安は、「弾きたい曲の練習を始める際、最初から音を省略したり移調したりすることを考えなければならない時」です。音楽を純粋に楽しむはずが、鍵盤の足りなさを補うための「作業」に時間を取られるのは非常にもったいないことです。

また、ピアノ教室に通い始めた、あるいは本格的なピアノ教本(ブルグミュラーやソナチネなど)に入ったタイミングも良い機会です。本物のピアノと同じ88鍵に触れることで、正しい手の位置やバランス感覚を養うことができます。

「もっと自由に弾きたい」というストレスを感じるようになったら、それが最大のタイミングです。現在は、88鍵あってもスリムで場所を取らないモデルや、比較的安価なデジタルピアノも充実しています。自分のやる気が高まっている時期に環境を整えることは、上達スピードを早めることにも繋がります。

61鍵盤が足りない人向けのおすすめ買い替え候補

鍵盤不足を解消するために88鍵盤への移行を考えたとき、選択肢が多くて迷ってしまうかもしれません。設置スペースや予算、重視する機能に合わせて、今人気のある信頼性の高いモデルをピックアップしました。自分にぴったりの一台を見つけて、音域の制約から解放されましょう。

Roland GO-88P(88鍵で持ち運びしやすい)

ローランドの「GO:PIANO88」は、88鍵盤ありながら驚くほど軽量でスリムな設計が特徴です。本格的なピアノを置くスペースがないけれど、全ての音域をカバーしたいという方に最適な入門機です。

特徴詳細
鍵盤88鍵(ボックス型鍵盤、タッチレスポンス付)
重さ約7.0kg(電池駆動可)
機能Bluetooth接続対応、スマホ連携可
公式サイトRoland GO-88P 公式ページ

スピーカー内蔵で、スマートフォンと連携して音楽を流しながら練習できるなど、現代的な楽しみ方ができる一台です。

YAMAHA P-145(入門向け88鍵デジタルピアノ)

ヤマハの人気モデル「Pシリーズ」の最新エントリーモデルです。コンパクトながら、ピアノらしいしっかりとしたタッチ感を追求しており、特に初心者から中級者へのステップアップに支持されています。

特徴詳細
鍵盤88鍵(GHC鍵盤・グレードハンマーコンパクト)
重さ約11.1kg
特徴自然なピアノの弾き心地と高品位な音色
公式サイトYAMAHA P-145 公式ページ

新たに採用されたGHC鍵盤により、奥行きを抑えつつも、グランドピアノに近い重厚なタッチを実現しています。

CASIO CDP-S110(省スペースで88鍵を置ける)

カシオのCDP-S110は、奥行きわずか232mmという驚異的なスリムボディが自慢です。88鍵盤のデジタルピアノとしては世界最小クラスの設置面積で、狭いお部屋でも圧迫感なく置くことができます。

特徴詳細
鍵盤88鍵(スケーリングハンマーアクション鍵盤II)
重さ約10.5kg
特徴スリム設計かつ乾電池での使用も可能
公式サイトCASIO CDP-S110 公式ページ

シンプルで洗練されたデザインは、インテリアにも馴染みやすく、手軽に本格的な練習を始めたい方にぴったりです。

KORG B2(シンプルで弾きやすい88鍵)

コルグのB2は、「まずはピアノを弾くこと」に特化した無駄のない設計が魅力です。選び抜かれたピアノ音色が素晴らしく、クラシックやジャズを心地よく練習したいというニーズに応えてくれます。

特徴詳細
鍵盤88鍵(NH鍵盤・ナチュラル・ウェイテッド・ハンマー・アクション)
重さ約11.4kg
特徴豊富な入出力端子とPC連携に強い
公式サイトKORG B2 公式ページ

USB端子を備えているため、パソコンやタブレットと繋いで音楽制作や学習アプリの利用を考えている方にも向いています。

折りたたみ88鍵キーボード(場所が限られる人向け)

「88鍵は欲しいけれど、どうしても置く場所がない」という方には、二つ折りや四つ折りにできる折りたたみ式キーボードも選択肢に入ります。本格的なタッチ感は望めませんが、音域を確認しながら練習する用途には十分です。

特徴詳細
メリット未使用時はコンパクトに収納、持ち運びが容易
デメリット打鍵感が軽く、本格的なピアノ演奏には不向き
公式サイト例サンワダイレクト 400-SKB070

帰省先や旅行先での練習用サブ機としても人気があります。

キーボードスタンド(弾きやすい高さにできる)

88鍵盤を導入する際、忘れてはならないのがスタンドです。正しい姿勢で弾くことは、上達への近道であり、体への負担を減らすためにも重要です。

種類特徴
X型スタンド折りたたみが簡単で安価。軽量モデル向け
テーブル型スタンド足元が広く、安定感抜群。演奏時に揺れにくい
公式サイト例ヤマハ キーボードスタンド

自分の身長や使う椅子の高さに合わせて調整できるものを選びましょう。

ペダルユニット(表現の幅が広がる)

88鍵盤での演奏において、ペダルは欠かせない表現ツールです。多くのデジタルピアノには簡易的なスイッチペダルが付属しますが、できれば踏み心地の良いサステインペダルや、本格的な3本ペダルユニットを検討してください。

特徴詳細
サステインペダル音を長く響かせ、なめらかに繋げるための必須アイテム
3本ペダルダンパー、ソフト、ソステヌートの機能を再現
公式サイト例Roland KSC-72-BK(専用ペダルボード例)

ペダルを使いこなすことで、61鍵盤時代にはできなかった「響きを重ねる」楽しさを実感できます。

ヘッドホン(夜でも練習しやすい)

デジタルピアノの利点は、時間を気にせず練習できることです。88鍵盤での豊かな低音や高音の伸びをしっかり確認するためには、少し質の良いヘッドホンを用意することをおすすめします。

種類特徴
オープン型圧迫感が少なく、自然な音の広がりを感じられる
密閉型音漏れが少なく、細かい音まで集中して聴き取れる
公式サイト例オーディオテクニカ 楽器用ヘッドホン

電子ピアノ特有の音の疲れを軽減し、長時間の練習でも耳への負担を抑えられます。

61鍵盤が足りない悩みを減らして練習を続ける工夫

新しい楽器を買うまでの間、あるいは今の61鍵盤を使い続けたい場合に、音域不足をどうカバーすべきか。いくつかの工夫を取り入れるだけで、今の機材でも練習の質を落とさずに続けることができます。完璧を目指しすぎず、工夫で乗り切るコツを身につけましょう。

右手メロディの位置を優先する

音が足りないとき、最も守るべきなのは「主旋律(メロディ)」の音域です。メロディの音を変えてしまうと、何の曲を弾いているのか分からなくなったり、曲のイメージが大きく崩れたりするためです。

高い音を出す鍵盤が足りない場合は、右手のパート全体を1オクターブ下げるという選択肢がありますが、もしメロディが中央付近に収まっているなら、右手は楽譜通りの位置で弾き、伴奏側で調整するのが基本です。曲の「顔」であるメロディの表情を損なわないよう、まずは右手の居場所をしっかりと確保してください。

左手は低音を省略して弾く

61鍵盤で最も足りなくなりがちなのが、重厚な低音域です。楽譜に低い音が出てきた際は、単純に「1オクターブ上で弾く」のが最も一般的な対策です。ただし、ただ音を上げるだけだと右手の音と重なって聞き取りにくくなることがあります。

その場合は、左手の和音を整理し、ルート音(根音)だけを弾くようにシンプルにしてみましょう。例えば、低いドとその上のソを弾く指示があった場合、一番低いドだけを1オクターブ上げて弾くといった形です。低音の重みが物理的に足りない分、不必要な音を省くことで、全体の響きをスッキリ整えることができます。

伴奏形をシンプルに整える

特にアルペジオ(分散和音)などで広い音域を行き来する伴奏の場合、61鍵盤では指が届かなかったり、鍵盤の端に当たったりしてしまいます。このような時は、アルペジオの範囲を狭く書き換えてしまいましょう。

広い範囲を上下させる代わりに、真ん中の音域でコンパクトに和音を散らすようにアレンジします。音を間引くことで、演奏の難易度も下がり、結果としてミスタッチも減らすことができます。61鍵盤という「限られたキャンバス」の中に、どう音を収めるかを考えるのは、ある意味で編曲のセンスを磨く練習にもなります。無理に全ての音を拾おうとせず、曲の雰囲気が伝わる最小限の音を選んでみてください。

弾きたい曲に合わせて機材を選ぶ

もし今の練習環境に限界を感じているなら、「今は61鍵盤で弾ける曲を優先し、難しい曲は88鍵盤を手に入れてからの楽しみに取っておく」という割り切りも大切です。無理なアレンジをして練習しても、変な癖がついてしまう可能性があるからです。

ポップスのコード弾きや、歌の伴奏などがメインであれば、61鍵盤のままでも工夫次第で長く楽しめます。しかし、ショパンやリスト、あるいは現代の映画音楽のピアノソロなどに挑戦したいのであれば、早めに88鍵盤を導入したほうが、結果的に練習のモチベーションも維持しやすくなります。自分の最終的な目標を見据えて、今の機材を使い倒すのか、ステップアップするのかを選んでください。

61鍵盤が足りない問題は目的に合わせると解決しやすい

鍵盤の数は、あなたがピアノで何をしたいかによって決まります。不足を感じることは成長の証ですから、決してネガティブに捉える必要はありません。今の楽器で工夫しながら練習を続けるのも立派な方法ですし、思い切って88鍵盤に替えることで新しい扉が開くこともあります。自分のライフスタイルや住環境、そして何より「どんな音楽を奏でたいか」という心に素直に従って、最適な解決策を選んでください。

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この記事を書いた人

ピアノの弾き方だけでなく、音の作り方そのものに興味がある人へ向けて情報を発信しています。コード進行やメロディづくりのコツも詳しく解説します。ひとつの曲を深く味わえるようになったり、自分のフレーズが生まれやすくなったりする、そんなきっかけをお届けします。

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