曲作りのテーマはどう決める?初心者でも迷わずメロディが生まれるコツ

作曲や作詞を始めるとき、最も大切なのは「何を伝えたいか」という土台作りです。曲作りのテーマが明確になれば、バラバラだったメロディの断片や言葉の候補がひとつの物語としてまとまり始めます。初心者の方でも迷わずに自分らしい1曲を完成させるための、テーマ設定のコツと便利なツールを紹介します。

目次

曲作りのテーマが決まるとメロディも歌詞もスムーズにまとまる

「自由に曲を作ってください」と言われると、かえって何を作ればいいか分からなくなるものです。しかし、具体的なテーマという「枠組み」を決めることで、脳はその範囲内で最適な音と言葉を探し始めます。テーマ設定は、曲作りにおけるコンパスのような役割を果たしてくれます。

まずは感情をひとつに絞る

ひとつの曲の中に、喜びも悲しみも怒りも全て詰め込もうとすると、聴き手は何を受け取ればいいか迷ってしまいます。まずは、その曲を通じて伝えたい「中心となる感情」をひとつに絞ってみましょう。例えば「失恋の切なさ」なのか「新しい挑戦へのワクワク感」なのかを明確にします。

中心となる感情が決まれば、メロディの方向性も自然に決まります。切ない感情ならマイナーコードを多めにしたり、ワクワクする感情ならテンポを少し早めにしたりと、音楽的な選択がスムーズになります。欲張らずにひとつの感情を深く掘り下げることで、結果として聴き手の心に強く残る曲になります。

物語の場面を1シーンで切り取る

テーマを抽象的に考えすぎると、歌詞が説明的になりがちです。そんなときは、映画やドラマの「1シーン」を切り取るようにイメージしてみてください。例えば「駅のホームで電車を待っているとき」や「夕暮れ時の誰もいない教室」といった具体的なシチュエーションです。

具体的な場面を設定することで、その場の空気感や音、匂いまでもが想像しやすくなります。この「1シーン」の解像度を高めていくと、言葉が映像として浮かび上がり、それに応じたメロディの抑揚も自然と湧いてくるようになります。物語の全体を描こうとするのではなく、ある瞬間を丁寧に描写することが、テーマを際立たせるコツです。

誰に向けた曲かを決めて言葉を選ぶ

「誰に聴いてほしいか」を想定することも、テーマを固める強力な助けになります。親友への感謝なのか、過去の自分への励ましなのか、あるいは見知らぬ誰かへのエールなのか。届ける相手が決まれば、自ずと使う言葉のトーン(敬語なのかタメ口なのかなど)が決まってきます。

宛先がはっきりしている曲は、歌詞にリアリティが宿ります。個人的なメッセージであればあるほど、不思議と多くの人の共感を得られるものです。特定の誰かを思い浮かべながら作ってみることで、テーマがブレることなく最後まで一貫性のある曲作りが進められます。

タイトル候補を先に作ると迷いが減る

曲が完成してからタイトルを考えるのではなく、あえて「タイトルの候補」を先にいくつか作ってみるのも面白い方法です。タイトルは曲の「顔」であり、要約でもあります。魅力的な一言が決まれば、それがそのまま曲作りのゴール地点になります。

タイトルが決まっていれば、「この言葉にふさわしいサビはどんなものだろう」と逆算して考えることができます。制作の途中で迷ったときも、タイトルという原点に立ち返ることで、余計な寄り道をせずに済みます。仮のタイトルでも構わないので、まずは言葉をひとつ置いてみることから始めてみましょう。

曲作りのテーマを探すのに役立つおすすめネタ帳・ツール

アイデアはいつどこで湧いてくるか分かりません。日常の中にある小さな気づきをテーマに昇華させるために、デジタルツールの力を借りましょう。

Notion(曲のアイデア管理)

自由度の高いドキュメント作成ツールです。歌詞の断片、コード進行、参考にする曲のURLなどをひとつのページにまとめて管理できます。

項目内容
特徴データベース機能で進捗管理も可能。
メリット散らばりがちな制作資料を一元化できる。
公式サイトNotion公式サイト

Google Keep(思いついた一言を残せる)

付箋感覚でメモを残せるツールです。歩いているときや電車の中でふと思いついた言葉を、忘れる前にサッと記録するのに最適です。

項目内容
特徴音声入力や写真メモにも対応。
メリットシンプルで起動が速く、直感を逃さない。
公式サイトGoogle Keep公式サイト

Evernote(歌詞メモと資料整理に便利)

多機能なメモアプリです。WEBサイトの記事をクリップしたり、手書きのノートをスキャンして保存したりと、テーマの深掘りに役立ちます。

項目内容
特徴強力な検索機能で過去のメモをすぐ探せる。
メリット蓄積したアイデアを「タグ」で整理できる。
公式サイトEvernote公式サイト

iPhoneボイスメモ(鼻歌をすぐ録れる)

最も身近な録音ツールです。言葉と一緒に浮かんできたメロディを、忘れないうちに音声で残しておくことは作曲の基本です。

項目内容
特徴iCloud経由でPCとの連携もスムーズ。
メリット録音開始までの操作が非常に簡単。
公式サイトAppleボイスメモ

BandLab(スマホで作曲と録音ができる)

無料のオンライン音楽制作プラットフォームです。スマホひとつで伴奏をつけたり録音したりできるため、テーマを形にするスピードが上がります。

項目内容
特徴豊富なループ素材やエフェクトを内蔵。
メリット世界中のユーザーと共同制作も可能。
公式サイトBandLab公式サイト

ChatGPT(テーマ案とストーリーの整理)

対話型AIを活用して、テーマの広がりを相談できます。「〇〇をテーマにした曲のシチュエーションを5つ提案して」といった使い方が可能です。

項目内容
特徴アイデアの壁打ち相手として優秀。
メリット自分にはない視点や語彙を補完してくれる。
公式サイトOpenAI ChatGPT

連想類語辞典(言い換えの幅が広がる)

ひとつの言葉から、似た意味や連想される言葉を検索できるサイトです。歌詞作りで行き詰まったとき、表現の幅を広げるのに重宝します。

項目内容
特徴語彙のネットワークを視覚的に探れる。
メリットありきたりな表現を避けて個性的な言葉を探せる。
公式サイト連想類語辞典公式サイト

テーマを曲に落とし込む作り方とブレない工夫

テーマが決まっても、作っているうちに方向性が変わってしまうことはよくあります。最後までひとつの世界観を守り抜くための、実践的な制作のコツを整理しました。

サビの一行でメッセージを固定する

曲の中で最も重要な場所であるサビの「最初の一行」または「最後の一行」で、テーマを端的に表す言葉を使いましょう。ここが決まると、その一行を補足するようにAメロやBメロの内容を組み立てることができます。

中心となるメッセージがガッチリ固定されていれば、多少メロディが複雑になっても聴き手は迷子になりません。曲作りで行き詰まったときは、いつもこの「サビの一行」に立ち返り、今作っている部分がその一行を輝かせるために機能しているかを確認してください。

キーワードを3つ決めて歌詞に散らす

テーマに沿った具体的な単語(キーワード)を3つほどあらかじめ決めておきましょう。例えば「海」がテーマなら「波の音」「日焼け」「サイダー」といった具合です。これらの言葉を曲のあちこちに配置することで、曲全体に統一感が生まれます。

キーワードを散りばめることで、聴き手の脳内に常に同じ景色を投影させ続けることができます。これは「伏線」のような役割も果たし、曲が進むにつれて世界観がより強固になっていきます。言葉選びに迷ったときの指針としても非常に有効な手法です。

似たテーマの曲を分析して差別化する

自分が選んだテーマが「ありきたりかな?」と不安になったら、同じテーマの名曲をいくつか聴いて分析してみましょう。彼らがどの角度からその感情を描写しているかを知ることで、自分だけの「新しい切り口」が見つかります。

「王道」の良さを取り入れつつも、自分にしか分からない小さなディテールを加えることで、曲に個性が宿ります。既存の曲を真似するのではなく、それらが描いていない「隙間」を探す感覚で進めると、差別化が図りやすくなります。

迷ったら情景描写を増やして深くする

歌詞を書いていて「何を言えばいいか分からない」と筆が止まったら、心の中の声を説明するのをやめて、周囲の景色を描写することに徹してみてください。窓の外の天気、机の上の散らかり具合、影の伸び方などです。

情景描写は、言葉にしづらい感情を間接的に伝える素晴らしい手段です。寂しいと言わずに、寂しさを感じさせる景色を描く。この「深掘り」をすることで、テーマはより情緒豊かに、そして説得力を持って聴き手に伝わるようになります。

曲作りのテーマで悩まないためのまとめ

曲作りのテーマ設定は、決して難しいことではありません。日常の中にあるささいな感情や、心に残った景色をひとつ選ぶだけで、それは立派な曲の種になります。大切なのは、最初から大きなことを言おうとせず、等身大の自分を見つめることです。

Notionやボイスメモといったツールを日頃から使いこなし、自分だけのアイデア貯金を作っておきましょう。テーマという軸がしっかりしていれば、メロディや歌詞は後から自然とついてきます。まずは今日感じたことの中から、ひとつだけ言葉を選んでみてください。それが、あなたにとって最高の一曲の始まりになるはずです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ピアノの弾き方だけでなく、音の作り方そのものに興味がある人へ向けて情報を発信しています。コード進行やメロディづくりのコツも詳しく解説します。ひとつの曲を深く味わえるようになったり、自分のフレーズが生まれやすくなったりする、そんなきっかけをお届けします。

目次