ふと思い浮かんだ鼻歌やメロディに、どんなコードを合わせれば良いか悩むことはありませんか。メロディにコードを付ける作業は、音楽の「色」を決めるようなもので、正解は一つではありません。しかし、いくつかの基本ルールを知っておくだけで、初心者でも違和感のない心地よい響きを簡単に作ることができます。
メロディにコードを付けるときは「主音と着地」を決めると一気にまとまる
メロディに対してバラバラにコードを当てはめていくと、全体のまとまりがなくなってしまいます。まずは音楽の土台となる「キー」や「着地する音」を明確にすることで、迷わずにコードを選べるようになります。
まずキーを決めて迷いを減らす
メロディに使われている音の並びを確認して、その曲の「キー(調)」を特定しましょう。例えば「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」の音だけで構成されているなら、Cメジャーキーである可能性が高いです。キーが決まれば、そのキーでよく使われる7つの「ダイアトニックコード」が自動的に候補として絞り込まれます。
すべてのコードから選ぼうとすると選択肢が多すぎますが、ダイアトニックコードの中から選ぶというルールを決めれば、音を外すリスクを大幅に減らすことができます。まずはメロディの中心となる音(主音)が何であるかを意識することから始めてみてください。
強拍の音をコードトーンに寄せる
メロディの中で、各小節の1拍目や3拍目といった「強い拍」にある音に注目しましょう。この音をコードの構成音(コードトーン)に含めることで、メロディと伴奏が綺麗に重なり、聴き心地が良くなります。
例えば、1拍目の音が「ミ」であれば、ミを含むCメジャー(ド・ミ・ソ)やAm(ラ・ド・ミ)などのコードが第一候補になります。逆に、強拍の音がコードの音とかけ離れていると、不協和音のように聞こえてしまうことがあるため注意が必要です。メロディの骨組みを支えるようにコードを配置していきましょう。
迷ったら王道進行で支える
メロディに合うコードがどうしても思い浮かばないときは、多くのヒット曲で使われている「王道進行」を試してみてください。J-POPなどで定番の「F→G→Em→Am」といった進行は、どんなメロディにも馴染みやすく、一気に「曲らしい」雰囲気を作ってくれます。
王道進行を当てはめてみて、音がぶつかる箇所があればそこだけ微調整する、というやり方は非常に効率的です。基本となるコードの流れを先に用意することで、メロディが持つ感情をより引き立てることができるようになります。
最後は解決感のある終わり方にする
曲やフレーズの最後は、誰もが「終わった」と納得できる「解決感」のあるコードで締めくくりましょう。最も一般的なのは、ドミナント(Gなどの5番目のコード)からトニック(Cなどの1番目のコード)へ戻る形です。
この終わりの形を先に決めておくことで、そこに向かうまでの流れ(逆算)を考えやすくなります。最後がピタッと「主音」に着地するようにコードを整えれば、メロディが持つストーリー性がより明確になり、聴き手に安心感を与えることができます。
メロディに合うコードを探せるおすすめツール・サービス
耳コピや作曲をサポートしてくれる最新のデジタルツールを活用することで、コード付けの効率は劇的にアップします。
| サービス名 | 特徴 | 公式サイト |
|---|---|---|
| Chordify | YouTubeなどの音源からAIが自動でコードを解析してくれる。 | Chordify公式サイト |
| Hookpad | メロディとコードの相性を視覚的に確認しながら入力できる。 | Hooktheory公式 |
| Captain Chords | スケールに合った適切なコード候補を次々に提案してくれる。 | Mixed In Key公式 |
| iReal Pro | 定番のバッキングを自動生成。練習や試奏に最適。 | iReal Pro公式サイト |
| BandLab | スマホで録音・編集ができ、多彩なループ素材を重ねて試せる。 | BandLab公式サイト |
よくあるつまずきポイントを潰すとコード付けが安定する
基本がわかってきても、時にはメロディに対してどのコードもしっくりこない場面があります。そんなときに役立つ、一歩踏み込んだテクニックを確認しておきましょう。
ダイアトニックコードから外れる場面を整理する
ダイアトニックコード(7つの基本コード)だけでは、曲が単調に聞こえてしまうことがあります。メロディに「シ♭」のような、キーの音階から外れた音が含まれているときは、コードもそれに合わせて変化させる必要があります。
こうした「変化」が起きる場所は、曲の盛り上がりや感情が揺れ動く大切なポイントであることが多いです。基本のコードでは対応できない場面こそ、面白い響きを作るチャンスだと捉えて、音を探ってみてください。
ノンダイアトニックを使う理由を作る
基本のキー以外の音を含む「ノンダイアトニックコード」を使うときは、その前後との繋がりを意識しましょう。例えば、次にくるコードへ滑らかに繋げるための「セカンダリードミナント」などは、メロディにドラマチックな響きを与えます。
「なんとなく変わった音を使いたい」という理由だけでなく、「このメロディの緊張感を高めたいから使う」といった意図を持つことで、コード進行に説得力が生まれます。耳を信じて、心地よい違和感を探してみるのも作曲の醍醐味です。
転回形でメロディの邪魔をしない
コードの構成音は同じでも、一番下の音(ベース音)を変える「転回形」を使うことで、メロディとの響きを調整できます。例えばメロディが低い位置にあるとき、コードを高い位置の転回形で弾くことで、音がぶつからずにスッキリと聞こえます。
ピアノであれば、右手と左手の音域が近すぎないように配置を工夫するだけで、コード付けのクオリティは格段に上がります。メロディを主役として引き立てるための、空間作りを意識してみましょう。
ベースラインで流れを作る
コードのルート音を繋ぐベースラインがスムーズに動いていると、コードの切り替わりが自然に聞こえます。ベースがドレミ…と階段状に動くようにコードや転回形を選ぶことで、音楽に力強い推進力が生まれます。
メロディが激しく動いているときはベースをシンプルに、逆にメロディが伸びやかなときはベースを少し動かしてみるなど、上下の対話を楽しむ感覚で構成してみるのがおすすめです。
メロディとコードの関係が分かると作曲も耳コピも速くなる
メロディにコードを付けるためのルールやツールを理解すると、今まで「なんとなく」で選んでいた音が、確かな根拠を持った「音楽の言葉」に変わります。主音を意識し、強拍をコードトーンで支えるという基本を繰り返すうちに、理想の響きを見つけるスピードは驚くほど速くなります。
Chordifyで憧れの曲を分析したり、Hookpadで新しい進行を試したりして、楽しみながら知識を深めていきましょう。メロディとコードが完璧に調和した瞬間の喜びは、音楽作りにおける最高の瞬間です。ぜひ自分だけの美しいハーモニーを見つけ出してくださいね。
